世界の雇用と日本の労働・雇用(その1)
カテゴリ :私は言いたい!
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2007-05-01
下町ユニオンニュース 2007年5月号よりビルメンユニオンには様々な経歴の組合員がいます。25年前、東西冷戦の援助合戦を戦っていた中東で、ボランティアとして暮らし、その後は日本の南北の「多様で豊かな海」を見つめてきた源太郎氏が、私たちの雇用問題について、「今思う所」を語ります。今回は世界情勢から。
世界の雇用と日本の労働・雇用(その1)
ILOの世界の雇用トレンド2007年版は、世界的な経済成長にもかかわらず、2006年の世界の失業者数は推計約2億人弱(失業率6.3%)と、依然最多水準。そして約14億人弱の、働いてはいるが1日1人当たり2ドル(236円、1ヶ月1人当り約7,198円の消費,1ドル=118円として)未満で暮らす「働く貧困層」はわずかに減少したと述べています。さらに、過去10年間で世界の生産性は26%伸びたのに、就業者数はわずか16.6%増と、 経済成長は雇用増ではなく、省力化や自動化等の生産性の上昇と関連していること。世界の失業者数の44%が若者(15〜24歳)であること。依然として男女間の就業格差が存在すること。産業別就業構造では、2006年に世界の雇用の40%をサービス部門が占め、初めて農業(38.7%)を上回ったこと。地域別では、失業率で最大の減少幅を示したのは先進諸国・EU諸国で0.6ポイント減の6.2%。失業率が最大なのは、中東・北アフリカ(12.2%)、これにサハラ以南アフリカ(9.8%)が続き、アフリカでの取り組みが最優先課題。逆に失業率が低いのは東アジア(3.6%)で、南アジア(5.2%)が続く。等を指摘している。
東アジア経済は元気なのに、わが日本は、不況とグローバル化による国際競争の激化から、中高年や女性・若者の失業が問題。その所得や賃金は低下したままである。北京の土木建築工事現場で働く出稼ぎ農民の月収は、約一万四千円(製造工場労働者の月収一万五千円)。出稼ぎで来日する外国人労働者も多い。能力ある日本人は、国外で働き始めている。日本の労働問題も、世界からの影響を直接受けている。日本は厳しい生き残りをかけたレースで、共生・ウィンウィンな関係を築けるか?また巨大な国内問題も抱えている。極限まで肥大化した公的部門のリストラをどうするか。上手く民営化し、人件費を削減して、国と地方自治体の財政破綻を回避できるだろうか(改革に失敗すれば国家破産、世界金融恐慌から始まる70億人による資源の奪い合い=世界大戦の可能性もありうる)。
日本人労働者の雇用破壊・不安定化と流動化、そして所得低下は、世界的労働力デフレ、人手余りによる賃金の国際競争、世界経済に占める日本経済の規模の縮小、そして日本人自身の放漫財政赤字に起因しているのではないでしょうか?
(現在、全世界の労働者が安心して働ける仕組みは存在しない。閉塞感に満ちたまま、次号に続く。) (源太郎)


