エレベーター傷害致死事故の真の責任者は

カテゴリ :規制緩和 トラックバック(-) コメント(-)
 2006-07-01
下町ユニオンニュース 2006年7月号より

エレベーター傷害致死事故の真の責任者は

 事故※の起こったシティハイツ竹芝は港区役所から徒歩15分、JRと第一京浜国道に挟まれた地下2階、地上23階の建物です。所有者は港区です。管理業務は指定管理者として財団法人港区住宅公社が受託しており、その理事長は現職港区助役(永尾昇)です。
この助役選任議案に反対したのは、オンブズマンみなと・一票の会、日本共産党、みなとかがやきの3会派でした。これからの追及に期待したいものです。
エレベーターについては、その建物の設計段階、工事完了時点での検査の問題と、引渡しの後、点検保守がどのように行われたのかに分けて考えます。
 まず、設計段階での建築確認、工事完了時点での検査はこの建物の場合、東京都建築主事が行っています。都知事は「欠陥エレベーター」だと主張していますが、東京都の確認、検査が耐震強度事件同様、形式的に流れていたのではないかという疑いがあります。
 次に、引渡し後の管理はどのように行われるのでしょうか。まず、建物の所有者は、管理責任者となります。この場合は港区です。
 建築基準法8条に 「建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。」と定められています。
ところが、区長自身に、管理責任者である自覚がなく、保守会社の変更を管理業者に任せていたという事実があります。
 一般の建物の場合は、年に1回の法定検査報告書を建築主事(規模により東京都あるいは区)に提出することが義務付けられています(建築基準法第12条)。エレベーターに乗ると操作盤の上のところに「定期検査報告済証」が掲出されています。
 法定検査に加えて、ほとんどの建物で月に1回の点検を自主的に実施しています。
 ところが、竹芝の建物は港区が所有者であるため、建築基準法12条のカッコ書きで、この法定検査義務が除外されています。しかし、報告書提出義務の有無とエレベーターの管理義務とは別問題です。港区が所有するエレベーターの保守管理をどのように実施してきたかを調査する必要があります。竹芝の昇降機保守体制が他の区有昇降機(例えば、区役所の昇降機)と比較して、ずさんだったことはないのでしょうか。
 最後に、メーカーの主張で重要な点は、「エレベーター設備の稼働時の長期にわたる安全は、シンドラーの資格を有する技術者による保守によって保障されている」としていることです。シンドラー社の指摘は、現在の日本のエレベーター保守業務のずさんさを鋭く突いています。港区がシンドラー社を解約して別の業者と契約した時に、それまでと同等の保守サービス(部品供給、緊急時対応、点検マニュアルその他)の保証があったのでしょうか。恐らく、昇降機保守の具体的詳細に無知なまま、「安いから」ということを主な理由として、シンドラー社を解約して、次々に乗り換えていったのではないかと疑われます。
 その意味で、今回の事故はまさに起こるべくして起こったものといえます。(by次郎)

エレベーター傷害致死事故の真の責任者は の続きを読む

≪ トップページへこのページの先頭へ  ≫
プロフィール

ビルメンユニオン

Author:ビルメンユニオン

誰でも、ひとりから入れる、
ビルメンテナンス関係で働く人のユニオン(労働組合)です。

最近の記事
カテゴリー
最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ