8時間労働制 を考える
カテゴリ :私は言いたい!
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2006-05-01
下町ユニオンニュース 2006年5月号より」工場の設備管理で働くKさん。実はフランスからの「帰国子女」。 日本の現状に怒りの一文!
―― 8時間労働制 を考える ――
もうすぐ「メーデー」の時期になるので、今一度メーデーの第一の要求事項であった8時間労働制を考えてみたいと思います。
日本では労働基準法が1947年4月に公布され、8時間労働制になりました。
しかし、それは建前だけで、たとえば工場等の現場では、12時間労働などの実態はほとんど変わらなかったのです。12時間の内8時間は「時間内労働」、残り4時間は、「時間外労働」として扱い、割り増し賃金を支払うだけですます場合が多かったのです。
現在でも、12時間2交替制で24時間連続操業体制をとっている製造業企業は多数あります。
労基法で8時間労働制を決めても、それが労働者の実際の生活を支配するルールにならず、実態は戦前からの長時間労働が続く。そこには、一連の改革が「上からの改革」だったことと結びついた日本社会の重大な欠点があると思われます。「過労死」とか「サービス残業」とか、 世界の他の資本主義国ではありえないような、ひどい搾取形態が生れるのもそこから来ていると思います。
同じ改革でも労働者自身が自分の闘いとして勝ち取った国では、改革が建前だけと言うことはまず起こりません。
フランスの8時間労働制は1930年代の人民戦線の時代に、労働者階級がゼネストを含む全国的な大闘争を展開して勝ち取ったものでした。1936年に行なわれたフランス総選挙で人民戦線政府が成立した政治情勢のもとで、労働者階級自身が独自の全国的闘争を闘い抜き、経営者側の全国組織と労働組合の全国組織との問で団体協約(マテニヨン協定) を締結し、そのなかで8時間労働制や有給休暇の制度を実現したのでした。
ですから、フランスでは8時間労働制が決まれば、それが実際の労働と生活の基準になって、「8時間は建前で生活そのものは別の基準で動く」、などということはありえないことです。
その後も、労働時間は何回も短縮されていますが、事情は同じです、(現在7時間労働制、週35時間制)。短縮された法定の労働時間が労働と生活の基準になるのです。
有給休暇の制度についても同じことが言えます。これもストを含む労働者自身の大闘争の結果まとまって休む権利として勝ち取ったものですから、日本のように病気欠勤の代用に小刻みに使うとか、休暇を使い残してしまうとかいうことは、フランスでは考えられません。
夏休みを4週間、冬休みを2週間まとまって取るというのは、フランスの労働者とその家族の間に生活習慣として定着しています。
「上からの改革」は、実際の改革にはならないのです。真に8時間労働制を含む労働条件の改革は、私たち労働者自身が闘わなくては実現出来ないのです。


